『AOKIT』・『版画表現』考─青木世一展
青木世一氏(1954-)は、栃木県野木町在住の造形作家です。
著名な絵画を、組み立て可能な立体キット化する「AOKIT (あおきっと)」シリーズで、特に知られています。
著名な絵画を、組み立て可能な立体キット化する「AOKIT (あおきっと)」シリーズで、特に知られています。
二次元の絵画を、紙やベニヤ板を用いて三次元に還元することで、思いがけない面白さが生まれていきます。
青木氏のこの独創的な作品の多くは、教師として働く日々の中で制作されました。
その姿は、川上澄生(1895-1972)や、澄生が私淑したアンリ・ルソー(1844-1910)などの、仕事のかたわらに制作をしながら美術界に新風をもたらした作家たちの姿と重なります。
さて、「AOKIT 」は組み立て式のキットをもとに作品を制作する性質上、同じものを複数制作することを得意とします。その一方で、同じキットを使用しても制作の方法を変えることで、多様に広がる可能性も持っています。それはまさに、同じ版を使用しても摺りや着彩によって無数に可能性が広がる版画に通ずるものです。
本展では「AOKIT 」のうち、ルソーをテーマにした作品や、版画との共通性に着目した作品を展示いたし
ます。
ます。
版画の美術館である川上澄生美術館が紹介する「AOKIT 」の世界を、ぜひこの機会にお楽しみください。
作家の言葉
名画の立体化キットの「AOKIT」は1995年から私が続けている仕事です。
巨匠と呼ばれる画家たちがそれぞれのタッチで名画(平面)の中に閉じ込めたモチーフを私のスタイル、考え方でもとの形(立体)へと還し、同時にキット化しています。
素材はベニヤ板やダンボ―ル、ケント紙…、親しみの持てるチープな感じが好みです。
自分の名前(AOKI)とキット(KIT)をかけて「AOKIT」と名付けました。
この私の一連の仕事の中から「川上澄生」が「我が師父」と敬愛したフランスの画家、アンリ・ルソーの作品を素に制作した作品を展示いたします。
また別の視点から「AOKIT 」と「版画表現」に共通するものに着目、これを具現化した作品も展示いたします。
「AOKIT」の世界をお楽しみいただければ幸いです。
展覧会情報
会 期: | 令和6年6月26日(水)~9月1日(日) |
会 場: | 鹿沼市立川上澄生美術館 1階展示ホール |
開館時間: | 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休 館 日: | 月曜日(7/15、8/12は開館)、7/16(火) 、8/13(火) |
入 館 料: | 無料 |
関連イベント
1 ワークショップ「ゴッホの部屋を作ろう」
2 ワークショップ「みんなで変身! 不思議な動物」
アンリ・ルソーの作品をもとにした「ジャングルBOX」のなかで動物になりきるための、衣装やお面を作ります。最後は記念撮影!
・日時:8月3日(土)13:00~17:00
・講師:青木 世一 氏
・定員:先着32名
・対象:小学生以下とその保護者
※保護者は1名以上同伴
・会場:文化活動交流館 創作工房室(栃木県鹿沼市睦町1956-2)
・参加費(材料費):小学生以下1人につき200円、保護者1人につき300円
・申込:7/6(土)午前9時 から、川上澄生美術館へ電話(0289-62-8272)で申し込み
★過去に栃木市さまで開催した同内容のイベントの様子を、こちらからご覧いただけます(栃木市さまのページに移動します)。
出品目録
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